公益財団法人山田進太郎D&I財団は、2023年7月22日(土)に【第6回STEM Girls座談会~成績、周囲の反対、学部マイノリティ、私は壁をこう乗り越えた!~】を開催しました。スピーカーは、学生アンバサダーで機械工学を学ぶRen。当日は「理系は忙しいって聞くけど、実際のところどうなの?」「女子が少ない学部でも大丈夫?」といった気になる話題がたくさん飛び出しました。イベントの一部を、当日参加できなかった皆さんにもお届けします!【スピーカー】Ren第2期学生アンバサダー機械工学を学び、大学院を目指す4年生。自宅から片道2時間かけて同志社大学に通学中。Renの進路選択ストーリー小さい頃は読書、アニメが大好きな子どもで、特に魔法系やSF系が大好きでした。国語の成績の方が圧倒的に得意だったけど、思い起こせば科学雑誌は毎月購読していて、付録を読むのが好きでした。その頃から少し、遠心力とかに関心を持ち始めたのを覚えています。私は高校に入学してすぐに文理選択があったので、自分の将来について考えて、自分が何が好きなのかを見つめ直さなければいけませんでした。その時に思っていたのは、漫画やフィクションが好きだということ。宇宙、魔法、空を飛んだり浮かんだりジブリとか、ガンダムが好きでした。実は幼少期に父親の影響でガンダムばかり見ていたんです。ガンダムの中でも、特に宇宙船が出てくるシーンが好きでした。いつか宇宙に行きたいとも思いましたが、私は乗り物酔いしやすく、身体が弱いのです。宇宙飛行士になりたいのであれば「体力、健康が大事」という話を山崎直子さんの講演で聞いて、肺活量の少ない自分は宇宙には行けないだろうなと思ったのを覚えています。そこで、どうしたら酔わずに宇宙行けるのか、と考えて、人工重力のある宇宙船を作りたいと思いたちました。また同じ時期に、文系から理系転身は難しいと聞いたり、高2の秋にNASA JPLの小野雅弘さんのお話を聞くチャンスに巡りあったりして、ワクワクして理系に行こうと決心しました。自分の中では「理系に行こう」と決まっていたのですが、実は両親ともに文系で理系進学に理解がなく、高3の夏になって「文系の方が得意なのに、なぜ理系受けるの?」「女子が理系に行ってどうするの?」「理系に進学したら大変なのに行く必要ある?」と反対されました。当時は親からの反対を受けて、気分も落ち込んでしまいました。思春期なので親の影響も強く、「自分が理系に進むのは無理なのかな、女子は理系に行かない方が良いのかな」と正直なところ真剣に悩みました。でも、やはり理系に行きたい気持ちが勝っていたので、両親の理解が得られないまま、文系の大学も同時に1校受験することで納得してもらいました。親が文系で国際協力のイベントなどに幼い頃から連れて行ってもらっていたので、国際関係には興味がありました。海外の人と交流することに興味がある、と言う自覚はあったので、文系に行くならそういう分野で学びたいとは漠然と考えていました。ただ自分が本当に何をやりたいかを考えた時に、確実に理系の方がイメージできるし、自分がもっともやりたいことが達成できると思ったので、理系を選択したという感じですね。結局、理系の大学に進学させてもらえました。実は今、大学院に行きたいと思っているのですが、祖母に「女の子が大学院なんて」と言われています。今でこそ聞き流すこともできるようになりましたが、当時の自分のような思いをしている子がいたら、「自分の選択を信じて」と言ってあげたいです。女子が圧倒的に少ない環境の中で…受験の時に驚いたのは、試験が行われる教室に入ってみて、圧倒的に女子が少なかったということ。「ここであっているよね?」と思いました。唯一よかったのはテストの合間のトイレががら空きであること。女子トイレの方が混んでいることが多いので、男子トイレだけ行列して女子トイレがガラガラというのは、なかなか見ない光景でしたね。高校のクラスは11クラスあって、8クラスが理系で、うち女子は1クラスあたり40人中15人くらいはいたので、そこまで理系の女子が少ないイメージはなかったのですが、機械系に進んだら圧倒的に女子が少ない環境になったので少し驚きました。家族も反対していたし、高3の時の担任の先生が中学校に赴任した後に高校に戻ってきたばかりで高校3年生のクラスの担任をもった先生だったこともあり、大学の情報をほぼ知らない先生から進路指導を受けました。相談しても「えー?どこがいいんだろう」と、先生も一緒に悩んでしまう感じで、有名な大学ばかりを紹介してきたり、詳しく一緒に調べてくれないという状態だったので、相談できる人はほぼいなかったです。唯一、おじいちゃんが材料系を学んでいたけど、高齢で寝たきり状態だったので相談できるわけでもなく、自分なりにインターネットで調べて、ここかなと思うところに進学しました。私の学科は1学年110人中、10人しか女子がいないのですが、だからこそ仲良くなるし、先生に顔を覚えてもらえて、有益な情報がもらえます。友達もフォローしてくれるので、心配はいらないと思います。どんなことを学んでいる?忙しさは?バイトややりたいこととの両立は?ここからは実際に大学での生活について紹介していきますね。まず「機械システム工学科」がどんなところかというと、ジブリアニメ「風立ちぬ」をイメージしてもらうと近いと思います。普段、図面を書いている立場からするとアニメに出てくる人たちがとても素早く、きれいに製図してるってことに気づくんですけど...笑。設計したり、物理実験したり、材料決めて加工したり、素材や構造を設計したり、そんなことを普段やっています。例えば身近なところだと、振り子を使って実験したり、水の流れとかエンジンとか。一部、プログラミングも入ってきます。高校で習う微分・積分とかは、めっちゃ使いますね。同志社大学の中では「3狂学科」と呼ばれていて、比較的忙しい学科といわれているということを、入学して初めて先輩から聞いて知りました。でも、実は「忙しい」と一口にいっても、学科や学年によって全然忙しさの種類が違うんですよね。例えば私の場合は、1年は座学の課題で忙しかったけど、2〜3年は実験や製図で忙しくなりました。4年になった今は、まったりと研究生活なのでそこまで忙しくはないですね。だから、サークルやバイトとも全然両立できます。同期もいろいろなことにチャレンジしています。私の場合は、学外の活動として、この財団のアンバサダー活動のほか、モデルロケットを作るサークル、「宇宙居住の研究会」に所属しています。課題は大変だけど、学生同士で助け合えば、乗り越えていけます。バイトも多い人だと週5日でやっている人もいますよ。今後について&中高生へのメッセージ私が所属している学科の場合、大学院の進学と就職は、半々という感じです。就職する場合は、学部生と修士卒で変わるのですが、例えば飛行機のパイロットや整備士になったり、車のタイヤメーカーや素材系の会社、カメラ・液晶系のメーカーなど多様ですね。コンサルティングや営業職に就く人もいます。私はやっぱり宇宙に関心があるので、今は大学院への進学に向けて勉強をしています。大学院に無事に入学できたら人工重力の研究をしてみたいと思っています。そのまま、宇宙構造物を開発する会社に就職できたらと考えています。必ずしも、理数の科目が高校生の時に得意だったわけではなかったし、親からの反対など色々葛藤もあったけど、今は自分の選択を信じてきてよかったなと思っています。中高生のみなさんも、自分がやりたいと思うこと、夢中になれることを見つけて、周囲の反対があろうとも、突き進んでいってくださいね。私のお話が少しでも参考になれば嬉しいです。財団では、今後も中高生や先生、保護者の皆さんに向けて、参考になるイベントを開催していきます。ご期待ください。